オトシンネグロの産卵

オトシンネグロの滝のぼり⁈

10月のある晩のこと。ベタ水槽からびちゃびちゃと水の跳ねる音がして、何事だろうと明かりをつけたら、同居しているオトシンネグロのメスがフィルターに登っていました。珍しいこともあるものだなと思っていたのですが、今思えば、これはなにか産卵行動の前兆だったのかもしれません。

オトシンネグロの卵

それから数日後。水槽のガラス面になにやらポツポツと卵のようなものが付いていることに気がつきました。これはオトシンネグロの卵⁈ 慌ててベタを間仕切りで隔離しました。お腹がパンパンだったから、もしかしたら卵を食べちゃったのかも…10個くらい見つかりました。

もう眼ができています

夜、マクロレンズで拡大してみると、もう眼ができています。すでに1、2日は経過していそうです。オトシンネグロの卵は粘着力が強く、無理に剥がすと潰れてしまいそうなので、そのままにして様子を見ることにしました。

ヨークサックを蓄えています

【孵化1日目】翌日、オトシンネグロの卵、帰宅したら孵化していました。オトシンネグロの卵は3日ほどで孵化するようです。メダカ、金魚、グッピーと繁殖に成功してきましたが、これは今までにないサイズ… 小さすぎて、育てられる自信がない!とりあえず、このままでは広い水槽で行方不明になってしまったり、餌を取れなくて餓死してしまうようなので、サテライトに隔離することにしました。

しかし、このスポイトで稚魚をすくってサテライトに移すのは至難の業でした… スポイトの中で張りついてしまい全然出てこないんです。たぶん卵のうちに移しておくのが正解だと思います。10個くらい卵があったはずですが、確認できた稚魚は5匹のみ。残りは卵があった場所から移動してしまったのか、行方不明になってしまいました。

オトシンネグロっぽくなってきました


【孵化2日目】なんとか数匹は生き延びているようです。小さすぎて数えるのも難しいです… ヨークサックがなくなり、形がしっかりしてきました。まだ小さすぎて、ブラインシュリンプは食べられないので、殻無ブラインシュリンプという粉末状の餌を与えています。また、柔らかくなったアンブレラリーフも餌になるようなので、ベタ水槽でクタクタになったもの入れました。なんとか数日、餓死せずに生き延びてほしい。

見た目はもう親オトシンネグロ

【孵化3日目】もう見た目は親のオトシンネグロと同じです。ミニチュア版といった感じで可愛いです。アンブレラリーフにくっついてるので、ご飯は食べられているのかな。

ちょび髭や胸鰭がしっかりしてきました

【孵化1週間】この頃から立て続けに3匹の稚魚がお星さまに… 産卵箱の水質改善に、食べ残しの餌が残らないようヒメタニシの稚貝とグッピーの稚魚を入れてみました。

お腹がオレンジ色

【孵化2週間】1.5cmくらいになり、安定してきました。お腹がブラインシュリンプの色になって、しっかり食べていることが分かります。

タイガーロータスにくっついています

【孵化2ヶ月後】2cmほどの大きさになり、他の魚に捕食されないサイズになったので、サテライトから60cm水槽に放ちました。親オトシンネグロのようにガラスや水草の苔を食べています。

予想していなかったオトシンネグロの繁殖、稚魚が小さくて、どうなることかと思いましたが、2匹が無事に成長してくれました。今回は生存率20%と惨憺たる結果でしたが、思いがけずオトシンネグロの繁殖を経験できたことは貴重であり嬉しかったです。

自分なりに得られた教訓は、繁殖行動が見られたら他の魚とは隔離すること、卵のうちにサテライトへ移しておくこと、サテライト内は水質が悪化しやすいので掃除屋さんの貝などを入れておくこと、でしょうか。次回があるかはわかりませんが、機会があれば試してみたいと思います。

魚の病気

色々な魚を飼っているので、魚の病気も色々経験しました。原因は様々で、先天性のものだったり、元々ショップにいたときから状態が悪いこともありますし、水質悪化や餌のやりすぎが原因であることもあります。今日は魚の病気について書いてみます。
※ 以下はあくまでも私自身が調べたことや経験にもとづくものなので、投薬や治療は自己責任でお願いします。

1.痩せ細り病
メダカでしか見たことがなく、他の魚で発症するかどうかはわかりません。餌を食べなくなって、それはもうぺったんこに痩せて、やがて死んでしまう病気です。

原因は諸説あり、水質悪化説が有力ですが、同じ水槽にいるミナミヌマエビ(エビは水質にうるさい)が元気で繁殖していたりするので、水質悪化だけが原因ではないようにも思います。単に老衰という可能性もありますが、我が家では若い個体も痩せ細り病を発症したので、これも違います。なぜか梅雨の時期によく発症するので、日照不足となんらかの関係があると思っています。1匹が発症すると、かなり高い確率で同じ水槽にいるメダカも発症し、まるで感染症のようです。

魚は内臓に障害が起きると回復させるのは非常に難しいのですが、この痩せ細り病はダイレクトに内臓にダメージがあるように思います。全換水し、グリーンウォーターやミジンコ、ブラインシュリンプなど稚魚が食べるような餌をこまめに与えたら治ったという話も聞きますが、私は助けられたことがありません。誰か痩せ細り病の研究をして、原因の解明と治療法を確立してほしいと切実に思います・・・

2.腎肥大症
金魚で経験した病気です。片方のお腹だけが異様に膨れて「く」の字になって横向きに浮いてしまうという症状です。当歳魚のみがなる病気で、先天的な疾患の場合と、エロモナス菌が原因の場合があるようです。わが家の金魚の場合は、まさに当歳魚で発症したのですが、先天性のものだったのか、エロモナスによるものだったのかはわかりません。

残念ながら治療法はないようですが、隔離して塩浴したら普通に泳げるようになって、餌を食べるまでに回復したケースもありました。ただ、予後は悪く、もちなおしても結局、1〜2週間で亡くなってしまいました。

3.カラムナリス症
グッピーを購入して2週間が経過した頃、1匹のグッピーの身体が白っぽく粉を吹いたような感じになっていることに気が付きました。尾ぐされのような症状と水面近くで頭を振りながら泳ぐ様子からカラムナリス菌に感染したのだと思います。

症状のある1匹を隔離して、水槽の水を全換水しましたが、あっという間に他のグッピーにも症状が出てしまい、全員薬浴へ。手持ちのグリーンFゴールド顆粒での薬浴を1週間しましたが、尾ぐされ症状が改善しません。当時、魚病薬が品薄でグリーンFゴールド顆粒が手に入らなかったこともあり、エルバージュエースを使ったのですが、それが失敗だったのかもしれません。カラムナリスによるものか薬によるものかわかりませんが、エサを食べなくなり衰弱。結果的に全滅してしまいました。カラムナリス症はとにかく感染力が強く、進行も早くて、今まで経験したなかでいちばん厄介な病気でした。

4.松かさ病
お腹が膨れて、鱗が松ぼっくりのように浮き上がってしまう病気です。不治の病と言われており、末期になると治すのは非常に難しい病気のようです。松かさ病は肝臓の機能障害で、エロモナス菌に感染することにより発症するようです。メダカもグッピーも金魚もベタも罹りますが、私が経験があるのは金魚だけです。松かさ病を繰り返した金魚がいますが、2回とも完治することができました。

1回目の治療は、
Day1 エルバージュエース24時間浴
Day2 薬抜き。クロレラを与えて糞を出させる。
Day3 鱗が少し閉じるも完治せず3日経過。
Day6 エルバージュエースの薬餌を5粒与える
Day7 鱗が閉じる

2回目は見つけた時点でかなり弱っていたので、エルバージュエースではなく、観パラDでの薬浴と薬餌を試しました(エルバージュエースは強い薬なので24時間以上は行わないように指示があります。一方で観パラDは魚には比較的優しい薬で長期使用に耐えるようです)。

今回は観パラDでは鱗が閉じなかったので、いったん薬浴を止めて、金魚の体力が回復してきたところでエルバージュエースを使いました。1回目と同じように治療したところ完治しました。松かさ病は体表ではなく内臓に菌がいるので、薬餌の効果が高いようです。薬浴と薬餌は同時に行うと魚には強すぎるので同時には行いません。2回目の治療でも完治することができました。本水槽に戻すとまた繰り返しそうなので、小さな睡蓮鉢で単独飼育していますが、今のところ調子は良く元気にしています。

5. 転覆病
わが家の金魚は琉金なのですが、琉金のようないわゆる「丸もの」の金魚は転覆病になりやすいそうです。品種改良により胴が短くなっていて、そのなかにグルグルと腸が詰まっているからガスが貯まりやすいようです。わが家の琉金も例外ではなく、転覆病を発症しました。

浮上性の餌や色揚げ用の餌を続けて与えると転覆しやすいことがわかったので、沈下性の餌に変え、時々クロレラを与えています。クロレラは整腸作用があるようで、与えると真緑の太くて長いフンが大量に出ます。転覆病は塩浴しながらクロレラを与えてフンを出すように促したら改善しました。一度転覆した魚は繰り返すことが多いので、注意しながら餌をあげています。

6. 白点病
寄生虫であるウオノカイセンチュウが原因で体に白い点が現れて魚が痒がって体を擦り付けるような仕草をします。寄生虫なので基本的には外から持ち込まれ、新しい魚を導入したときに起こりやすいようです。長く飼っている水槽では見たことがないので、新しく生体を導入するときに、しっかりトリートメントするのが予防になるのかなと思います。

ウオノカイセンチュウは魚に寄生しているあいだは薬が効かず、宿主を探して水中を漂っているときしか薬が効かないらしいです。水温を上げて幼虫から成虫になることを促し、魚の体表から離すというプロセスが効果的なようです。

薬を使うかどうかの判断
薬浴は魚にとっては少なからず負担になるように思います。金魚は身体も大きく体力があるからか、薬浴して改善することが多いのですが、メダカやグッピーなどの小さな魚は、薬で内臓にダメージがでて薬負けしてしまったと思われるケースもありました。これは考え方が分かれると思いますが、私は、換水、水温を上げる、塩浴などで様子を見て、薬はなるべく使わないようにしています。一方で、進行の早いカラムナリス症や重症化すると死に至るようなエロモナス症は早めの対処が必要なので、迷わず薬を使います。

薬浴中の餌
餌を消化するのも体力を使うので、薬浴中は餌をあげないのが基本ですが、転覆病や松かさ病など体内の悪いものを排出させることが治療につながる場合は例外になります。魚が餌を食べないときは、かなり状況が悪いので、薬浴中でも回復の度合いをみるためにごく僅かに餌を与えることもあります。

最後に
魚は小さな生き物なので、一度病気になってしまうと回復が難しいことが多いように思います。早期発見であれば治療の見込みが高くなるので、毎日の観察を怠らないことがいちばんだと思います。

可愛がっていた魚を死なせてしまったとき、飼う資格がないんじゃないかと落ち込みます。ただ、魚の場合、獣医さんのように魚医さんがいるわけでもなく、観賞魚の薬は扱いやすいものが少なく、魚の病状を見極めて適切な治療をすること自体がなかなか難しいと思います。観察眼を養い、経験値を上げていくしかないので、めげずにアクアリウムを楽しんでほしいなと思います。